たとえ1億年後に人類が滅びても、我々が存在した証は生き続ける理由
時速5万6千km、地球からの距離約177億km。
2018年10月、ボイジャー2号が太陽系外縁部に差し掛かっている事が分かった。
同機はいよいよ太陽系を離脱し恒星間空間(インターステラー)へ旅立つ。
ボイジャー2号は1977年8月20日に打ち上げられた。
兄弟機であるボイジャー1号もその2週間後、1977年9月5日に打ち上げられている。
ミッションの目的は、176年に一度起こる惑星配置を利用した太陽系外惑星(木星・土星・天王星・海王星)の探査、及び惑星の重力を利用した加速(スイング・バイ)による太陽系脱出だ。
1979年から1989年にかけて、ボイジャー2号は木星・土星・天王星・海王星を探査するという「グランドツアー」を初めて実現した。
太陽系外惑星探査ミッションを終えたボイジャー2号は、次なるミッション、太陽系外探査に向けて旅を続けている。
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ボイジャーは人類が創り出した英知の結晶だ。
探査機で最も重要とされる、頭脳(制御コンピューター)と心臓(原子力発電機)。
知的生命体としての科学技術発展の一つの到達点として、人類を代表してこの2つを製造したのは、ある米国企業だった。
GE(ゼネラル・エレクトリック)。
ボイジャーには地球の景色や音、人類の声や音楽、科学、画像が記録されたゴールデン・レコードが積載されている。
遠い未来、遠く離れた場所で、ボイジャーを発見するであろう誰か、または何かに向けられたメッセージ。
それは1億年、10億年、50億年が経ち、人類は絶滅し、太陽系すら消滅していたとしても、ここに我々人類が、地球という星と共に存在した事を証明する最後の証。
全人類の記憶は、ボイジャーという箱舟に乗り、GEとともに生きる。