日本株式市場に潜む異質

米国含む多くの海外マーケットでは、価格上昇を緑、下落を赤で表します。




日本は逆です。上昇が赤、下落が緑。
なので両方のマーケットで取引していると、たまに混乱します。
中国も逆です。





一方で、会社の事業活動においては「赤と緑」が持つ概念は、日本も世界と同じです。
上昇や100%達成や目標超過などのポジティブな数値は緑(青、黒)で、下落や未達や前年比マイナスなどネガティブな数値は赤です。


なぜか株式市場だけ逆です。


これ、海外から日本のマーケットに投資しようとする人に混乱を与えないでしょうか、というか海外投資家を遠ざける一因になってはいませんかと、ド素人なりに懸念しています。



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昔証券会社で使っていた入金と出金の伝票の色がどうだったからとか、赤はめでたいとか、赤は血がたぎるイメージだとか、そういった理由がある事は理解できるのですが、「なぜそれを変えないのか」というところが気になります。


たかが価格の表示色ですが、赤信号と青信号の意味が逆、ぐらいのインパクトがあると個人的には感じます。



(東証と証券会社が)変えようとは一度も思ったことがない?
変えようという議論はあったが変える必要がないと判断した?
変えたいけれど変えられない理由がある?




世界のマネーを日本に呼び込みたいのに、そこだけ日本流を固持したままでいいのでしょうか。東京オリンピックも近いのに。



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ところで、7月18日の日経にこのような記事が出ていました。



以下引用


全体では稼ぐ力をつけつつある日本企業だが、日経平均株価は2月以降、昨年末をほぼ下回る水準にある。ここ数カ月、貿易戦争で中国からの返り血を浴びる米国株よりも値動きが低迷している。

「日本株のワナ」ともいえる。背景には世界の常識と一線を画す、日本の3つの異質が潜む。


この記事では「日本株のワナ」として


  1. 株を買いたい企業が少ない
  2. 逆に株を買いたくない企業は多い
  3. 「変化」に乏しい

と「3つの異質」を挙げています。



赤と緑の持つ意味が世界と逆、というのも、異質の一つだと思います(本当に異質なのは東証と証券会社が「それを変える」という選択肢をとらないところなので、この問題は3. に入ります)。


なんかちょっと気になっていることを軽く3-4行でさらっと書いて終わりにしよう、と思って書き始めたのですが、妙に日本株をディスるような書きっぷりになってしまってダメでした。ですが日本市場が嫌いとかでは全然ありません。


ところで、もう一つの日本の独自制度である前場・後場の間の昼休みには賛成です。
日本人はただでさえ働きすぎなので、証券取引所や証券会社関連の社員が昼食ぐらいゆっくり摂るのは良い事だと思います(昼休みが結局仕事で潰れるのでゆっくりできませんという声もあるかとは思いますが)。


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さて昨日の日経平均の終値が2万2614円、一方1996年6月に付けたバブル崩壊後の戻り高値は2万2666円でした。その差は52円です。まずは本日このラインを上に抜けて欲しいです。
失われた20年を取り戻すには、小さなことからコツコツと。
こういう小さいところを少しずつ変えていけば、日本株式市場はもっと良くなると信じています。


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