米中間選挙後の株価のポイント 知っておきたい7つの要点


米国時間2018年11月6日に中間選挙が実施されます。 


11月4日に発表されたウォール・ストリート・ジャーナルの最新世論調査によると、民主党への支持が7ポイント差で依然リードを保っています。米国の分断が加速していると言われる中で行われる4年に一度の中間選挙は高い関心を集め、日本時間の明日にも結果が明らかになります。


今回の選挙は株式市場にとって何を意味し、どのような効果を持ち、今後どのように影響を与えるのか。


現時点で予想されるポイントを、ウォール・ストリート・ジャーナルがまとめています。


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"農業セクターから医薬品セクターまで。米中間選挙が意味するもの(WSJ 2018.11.4)"


1. 税制

  • 共和党(トランプ陣営)が上院・下院とも勝利→昨年の法人税減額に引き続き、個人の税制優遇の導入を新たに進める。消費者信頼感指数の向上と、小売、自動車、その他消費財の売上向上が見込まれる。
  • 民主党が上院・下院のいずれか、または両方で勝利→法人税の増額に向けた動きを推し進めるとみられる。



2. 貿易

  • 共和党(トランプ陣営)が上院・下院とも勝利→NAFTAからの撤退や貿易障壁の再確立など、通商協定の見直しを進める。貿易競争に晒されている産業には有利だが、主な米国経済と生産コストには悪影響を与える。ただし批准に向けた議会の承認はまだ降りていない。
  • 民主党が上院・下院いずれか、または両方で勝利→協定の確立に不透明感。または民主党の要望を反映し労働者保護や環境保護の条項が織り込まれる可能性あり。



3. 規制(撤廃)

  • 共和党が上院・下院とも勝利→二酸化炭素排出や環境などに関する規制を緩和する方向に進むため、資源関連企業、製造業、自動車業界に有利。
  • 民主党が上院・下院いずれか、または両方で勝利→上述とは逆に規制強化の動き。



4. インフラ

  • 共和党が上院・下院とも勝利→大規模なインフラ投資に関する法案の通過を継続して進める。総額1.5兆ドル。建設、テレコミュニケーション、電力をはじめとする多数のセクターに恩恵あり。
  • 民主党が上院・下院いずれか、または両方で勝利→橋梁や道路などインフラ向けの支出増大は民主党の支持も得られる見込みであり、トランプ大統領によるテコ入れは必要なものの、民主党勝利でも両政党共通の政策となる可能性が高い。



5. 軍事・防衛

  • 共和党が上院・下院とも勝利→軍事・防衛予算拡大の動きが強まり、当面は防衛セクターにとって好材料。
  • 民主党が上院・下院いずれか、または両方で勝利→軍事防衛予算は削減の対象となる可能性が有り。またサウジへの武器輸出を遅延または凍結させようとする動きの強化。



6. 農業

  • 共和党が上院・下院とも勝利→「ファーム・ビル」法案により、低所得者向けの公的な食料配給券(フードスタンプ)予算を大幅に削減する方針。またフードスタンプ受給者には一定基準の労働や職業訓練を義務付ける見込み。フードスタンプ受給者が利用する小売企業の業績に打撃を与える可能性有り。
  • 民主党が上院・下院いずれか、または両方で勝利→「弱者切り捨てである」として、上述の共和党方針に強く反対。



7. 医薬品・ヘルスケア

  • 共和党が上院・下院とも勝利→処方薬の価格引き下げ(のための規制案策定)の取組、および米医療保険制度改革法(オバマケア)廃止への取組が継続。
  • 民主党が上院・下院いずれか、または両方で勝利→オバマケアの適用範囲の拡大の期待が高まり、保険や病院運営などの銘柄にとって追い風になる可能性。



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中間選挙は日本時間の11月7日午前(米国時間の6日夜)に開票が始まります(東京株式市場は情勢を見極めながらの売買となります)。
なお4年前の2014年中間選挙では、日本時間の7日午後1時過ぎに結果の大勢が報道されたとの事です。

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