バークシャー・ハザウェイの運用株式22兆円。うち9兆円を金融セクターに突っ込んでいるバフェット氏の思惑。

バークシャー・ハザウェイの中の人ことウォーレン・バフェット氏は、同社で運用する株式22兆円のうち実に40%以上、約9兆円を金融セクター(特に銀行株)に集中させている事で有名です。



”なぜバフェット氏は銀行株に大きく賭けている?(バロンズ 2018.11.23)”


バロンズが記事の中でその理由について報じています。


曰く、銀行は

  • 収益を強く伸ばしており
  • 資本収益率が高いにも関わらず
  • 株価は低迷し、割安に放置されている



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ウェルズ・ファーゴのアナリスト、マイク・マーヨ氏

「バフェット氏の(金融セクター集中)投資が判明し、我々もバリュエーションの再検証に迫られている。」

「銀行株は昨今の収益回復の流れに乗り、直近10年間に比べてシクリカル(周期性)が弱まっている。」

今後4年間で、JPモルガン、シティ・グループ、バンク・オブ・アメリカの収益は+50%以上に達すると見ている。

「銀行への規制強化がむしろいい方向に働いている。銀行株投資家は親愛なる米監督官庁へクリスマスカードでも送ってみてはどうか。」





バロンズは2018年の銀行株の低迷を指摘します。

投資家達はバフェット氏やマーヨ氏の銀行株への"熱狂"を理解していない。世界経済の減速や顧客のローン借り入れ減少懸念から、銀行株24銘柄からなるインデッックスは今年8%下落した。ウェルズ・ファーゴとシティ・グループは-15%、ゴールドマン・サックスは-25%だ。」



バロンズがバフェットの買い理由を推察します。

「バフェット氏は ーバロンズは彼にコメントを求めたものの返信はないがー 銀行に対しマーヨ氏や他の銀行強気派と同様の評価をしているのかもしれない。すなわち”銀行は収益の伸びが強く、米国の主要産業の中で最も豊富な資本収益率を備えているにも関わらず、市場平均をアンダーパフォームしている”。」



上述の銀行強気派たちのコメント。
バークレイズ証券のアナリスト、ジェイソン・ゴールドバーグ氏。

「投資家は割安なバリュエーションで優れた収益性と良好な資本収益率

を手に入れることができる。

「2019年の銀行株のEPS成長率は+9%と予想している。」


バーンスタイン投資顧問のジョン・マクドナルド氏。

ミッドキャップ及びラージキャップ銀行株のリターンは2019年6月までに100%に達すると見込んでいる。



懸念と言われるローン残高減少とイールドカーブについて。

「ローン残高の伸びが鈍化しているものの、未だ1桁成長は維持している。」


「イールドカーブの差(米長期金利(高)と米短期金利(低)の差)は狭まっているが、銀行の決算は依然として豊富な金利差益を報告している。」


バフェット氏は、JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOに長年信頼を寄せているといいます。

ウォーレン・バフェット「これまで個人としてJPモルガンに投資してきたが、今回遂にバークシャー・ハザウェイとして勝負に出ることを決定した。

(2018年第3四半期、バフェット氏がバークシャーを通じてJPモルガン株を約4,000億円取得した事についてのコメント)


いま銀行株が熱い。



なんとなく銀さんの言葉を思い出したので貼っておきます(「銀と金」より)



無尽蔵集金(される)システムに組み込まれた情弱投資家の末路。

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