バフェット氏、株主のために1000億円分自社株買い

ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが、約10億ドルの自社株買いを行ったことを発表しました。



"ウォーレン・バフェットが1,100億円のバークシャー自社株買いとともに市場に向けて発信する強いシグナル (CNBC 2018.11.5)"


"ウォーレン・バフェット、バークシャーの自社株買い1,000億円 (WSJ 2018.11.4)"



バフェット氏は、長い間バークシャーの株主還元は”ゼロ”を貫いて来ました。配当を出さず、自社株買いも行わず、常に他社の株式を取得したり(アップル、コカ・コーラ、ウェルズ・ファーゴetc)、買収したりする事を続けて来ました。


配当や自社株買いよりも、投資により企業価値を向上させた方がバークシャー株主にとって望ましいとの考えからです。
そのため、今回(2018年8月)一転して自社株買いの判断を行った事は画期的といえます。


これについて投資顧問会社Edward D. Jonesのアナリスト、ジム・サハランは

「市場に向けた非常に強いシグナルだ」

とコメントしました。


また金融サービス会社ウェッジウッド・パートナーズ社の主席投資責任者デビッド・ロルフェ氏は

バークシャーが自社株を買うということは、市場に魅力的な投資先や買収先が存在しないという意味かもしれない。

と述べました。
市場の株価が高値圏に達しており、自社以外に値ごろ感が無くなった事を示唆する可能性があるといいます。



ウォールストリート・ジャーナルの記事によると、バフェット氏は2016年の株主への手紙の中で、

「企業の自社株買いが株主にとって価値を高めるものなのかその逆なのかについては、完全に自社株買いの際の株価による。

と述べているとの事です。
つまり、今回の自社株買いはバークシャーが割安なのか、またはバークシャー以外の市場が割高なのかのどちらかであるという事になります。



しかしそのいずれにしても、ウォールストリート・ジャーナルが

「バフェット氏は ”バークシャーは自社株を購入した。株主にとって、株主価値が高まる価格での購入だ” とCNBCのインタビューで述べた」

と報じていますので、今回の自社株買いは株主価値の向上に繋がるとの判断で行われたと個人的には理解しています。

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