バンガード創設者ボーグル氏はなぜ米国一極集中投資なのか(2018年10月インタビュー)
ジョン・C・"ジャック"・ボーグル氏はバンガードグループの創設者です。
2018年10月にモーニングスター社が氏へのインタビューを行いました。
インタビュアーの発言を聞くとこの収録はボーグルヘッド・カンファレンス2018の翌日のようなので、おそらく2018年10月6日ごろだと思います。
質問は「投資家は米国株同様、海外株式のパフォーマンスにも目を向けるべきか?」というものでした。
ボーグル氏は自身の投資方針として「米国以外のアセット(株式や債券)に投資する必要はない」と述べていて、理由は以下の通りでした。
"なぜボーグル氏は非米国株を保有しないのか(Morningstar 2018.10.16)"
1. 米国以外のアセットは、リスクが高いかもしれない
「海外株式は割安であるという場合、もしかするとそれはリスクがより高い事を意味するかもしれない。」
非米国は割安ではないかと言う意見に対し、よりリスクが高いだけで投資妙味は無いい"かもしれない"といいます。
2. 米国自体が持つ固有の強さ
「また私は米国ポートフォリオの信望者でもある。なぜなら米国は世界一の起業家国家であり、金融等について最も健全な機関組織を備えており、ガバナンスは堅実であり、かつ大変多様性のある経済を有しているからである。」
制度の面を見ても、投資先として米国が最も優れているという事です。
3. 米国企業はそもそも世界中でビジネスをしている
「米国企業は売上の半分を米国外で稼いでいる。特別私が米国第一主義だという訳ではない。世界経済は大変多くの国々同士の経済活動が統合され形成されている。投資家がわざわざ国際株式をポートフォリオに加える必要はないと私は考えている。」
米国外、つまり世界のマーケットで売上の半分を稼ぐ米国企業への投資は、既に十分国際分散効果が働いているので、非米国株式を敢えてポートフォリオに加える必要がないといいます。
4. 米国一極集中で良い
以上を踏まえ、米国集中で問題ないと結論付けます。
「米国を除くマーケット全体の、約20%が新興国であるが、これらは非常にリスクが高く、金利はセンシティブで、政府の堅実性も米国に劣る。私が間違っていたら遠慮なく正して欲しいが、なぜなら私は常に正しい事を言うとは限らないからであるが、それでも私が投資家に伝えたい事は、非米国アセットを保有する必要は無いと言う事だ。」
ただし非米国をどうしても入れるなら20%までという事です。
「もしどうしてもと言うなら、非米国アセットは全体の20%に止めるべきだ。25%、35%、45%と組み入れているポートフォリオも見かけるが、それは比率が大き過ぎる。」
また、自身のポートフォリオは全て米国株・米債券で、比率は株と債券を50:50とのことです。ただしボーグル氏は個別株ではなくインデックス投資を選択しています。