米国株集中か国際分散か アメリカ人投資家はどう考えているのか

米国一極集中か国際分散投資かという議論が昨今よく見られます。
これについては一度アメリカ人の意見を聞いてみたいと思っていたところ、Market Watchにそのような内容の記事が寄稿されていました。


一言で言うと「世間で言われるほど国際分散投資は分散が効いていないよ」という結論でした。


“海外株式による相場下落時のプロテクション効果は、投資家が最も必要とする時に最も小さい (Market Watch 2018.10.9)”



国際分散投資の「下落時のクッション効果」に疑問


よく言われるのは国際分散投資は米国株の好調時には米国集中投資ほどのリターンは得られないが、米国株下落局面ではショックを吸収するクッションの役割を果たし、米国株が長期不調であれば長期的には国際分散投資が米国集中をアウトパフォームするというものです。


まず直近の結果として2018年10月時点では、2018年の米国株集中投資のパフォーマンスが国際分散投資を大幅に上回っています。その上で2018年の下落局面に焦点を当てます。

2018年1月末から2月初旬にかけて、米国株式市場が10%以上下落した際、海外(米国以外)市場ではそれ以上に株価が下落しました

その後2018年3月9日から4月2日までの間に再び米国市場は下落しましたが、その際も海外市場は同様に下落しました投資家らは国際分散に下落のクッション効果を期待していましたが、結果はひどいものでした。


2018年1月末から4月までの2つケースで、「わずかなリターンの返上と引き換えにボラティリティを下げる」という、国際分散投資に期待された役割は機能しませんでした。



米国株と国際株式の相関関係

米国集中ポートフォリオと国際分散ポートフォリオは相関が比較的少ないながらも、長期的なリターンは非常に似た値になると言われます。

従って米国株と海外株を半分ずつでポートフォリオを構成すれば、米国株のみのポートフォリオと同じようなリターンで大幅に低いボラティリティを実現できる事になります。

しかしこれは机上の理論です。


問題は米国株と海外株の相関が一定ではないことであるといいます。

米国株が上がるときには相関が低く、米国株が下がるときには相関が高い傾向があります。


つまり米国株が上昇する際には海外株が上昇の足かせになるが、下落局面では仲良く同じように落ちていく、という事です。

結果として国際分散投資は、米国株の下落局面という投資家がより分散効果を求める時には僅かな効果しか得られない一方で、米国株の上昇局面では、高い分散効果 -上昇の足を引っ張る- を得ることができます。

なんという皮肉な書きっぷり。



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但し記事の中で、筆者は国際分散投資にメリットが無いと主張するものではない、と述べています。
そうではなく、国際分散投資は、多くの専門家が主張するほどのメリットが得られないという事実を述べているだけだと結論付けています。


参考として金融危機時のVTI(バンガード全米株式ETF)とVGTSX(バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF)の最大下落率を提示しています。
それによると、VTIが-55.5%であったのに対し、VGTSXは-60.3%でした。



結論:米国集中投資の勝ち。但し過去がそうであったというだけで、未来のことは分からない。



・・・全力米国株はこれからも全力で米国株に突っ込みます。


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