ジェレミー・シーゲル教授、ダウ・S&P500最高値更新に関してコメントする



米国時間2018年9月20日は、ダウ・S&P500とも史上最高値を更新して取引を終えました。


CNBCが早速ジェレミー・シーゲル教授に電話インタビューを行いコメントを取っていますので、内容を確認してみました。



インタビュー実施は米国東部時間の2018年9月20日午前中です。
まだ市場が開いたばかりですが、既に高値を更新している中で行われました。



シーゲル教授のコメントの中で、今回は以下2点についてまとめておきます。



1. 最高値更新の要因について

"Everyone was positioned, short positioners obviously said Uh-oh I better not stay there now"


「投資家は貿易戦争についてそれぞれのポジションを取っていました。激化すると踏んでショートポジションを取っていた投資家は、おっと、このままじゃまずいぞ、と言って変えたわけです(それが今回の高値に繋がった)」


米国が中国製品に課す関税率が予想よりも低かった上、中国の報復関税の税率も一部は市場の懸念を下回り、これにより米中貿易摩擦の懸念が後退しました。貿易戦争が激化すると踏んでいたヘッジファンドや機関投資家はショート(売り)ポジションを取っていましたが、懸念が後退した事でこのポジションを一気に解消したため、大幅な高値となったのだろうとの事です。



2. 小バブルの到来か

"It's possible we could have a little bubble like we had in January with the momentum players jumped on again and we had a reaction"


「2018年1月にモメンタム投資家達が強気相場に乗り込んだ際に調整が発生したのと同じように、現状もこのまま小さいバブルに向かっていく可能性がありますね。」


"But as this stage, there is incredible strength"

「ただその時に比べて現在は市場が素晴らしく強いです」

2018年1月もこの日と同じように、ショートポジションを取っていたヘッジファンドや機関投資家が強気相場に乗り遅れまいと乗り換え、相場がさらに加熱し、結果、調整入りしたとの事です。状況が似ているため今回も同様のことが発生する可能性があるとシーゲル教授は述べています。


ただし、その時よりも現在のマーケットは強いとのことです。


さらに、この発言には続きがあります。


CNBCはこのインタビューの後、「小バブル」についての詳細を、シーゲル教授にEmailで更に問い合わせています。それによると


In a further clarification via email, Siegel wrote, "[The market] could be headed into a sharp upswing that could end like the what happened in January. But we're not there yet."


「メールによる更なる問い合わせを行ったところシーゲル教授は、"今後、1月の時と同じような株価の急上昇と調整入りによる終わりを迎える可能性がある。しかし、我々はまだそこには至っていない"と回答した。」


ソース

Jeremy Siegel: Market could be headed for bubble just like in January



これは現在の最高値から更に急上昇する可能性があり、調整入りはその後である、という事と考えられます。


つまり最高値更新とはいえまだ小バブルは始まっていないという意味に取れます。


これから更に株価が上昇し、小バブルに突入したら調整入りに備えよ、と理解しましたがいかがでしょうか。



インタビューではこの後、

  • 世界中の市場で安全資産とされる債券から株式に資金が動いており、これにより金利が上昇しているが、株式市場への悪影響を恐れるほどの金利水準では無い。
  • 中間選挙でトランプ(共和党)が敗北した場合、株式市場にとっては悪材料になる
  • トランプは株式市場のためにも貿易摩擦を貿易戦争にせず決着させる必要がある

というコメントがありました。
インタビュー動画は約4分間です。



今日はこのあたりで。

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